何某より金貸し
なにがしよりかねかし

意味

2024/10/5(土)

何のなにがしといわれる家柄であっても貧乏であるよりは、金貸しと卑しめられても金持ちのほうがよいの意で、格式や名誉よりも実利のほうがよいというたとえ。

あらすじ

ある小さな町に、格式の高い家柄として名を馳せる「桐山家」がありました。桐山家は代々続く名門で、町の人々は彼らを敬い、家名にちなんだ様々な讃美歌を口ずさんでいました。しかし、最近は財政が厳しく、家計は赤字続き。しかも、家族の威厳を保つために高い生活水準を維持し続けていました。

一方、その町の外れには「金貸しの山田」が住んでいました。彼は無骨な風貌でしたが、手堅い商売をしています。「桐山家」の人々はその存在を軽蔑していましたが、山田のもとにはいつも金が集まり、彼の貸した金は町の人々に回ることで経済を支えていました。町の人々は口を揃えて言いました。「桐山家よりも山田の方が実は町にとって重要なんじゃないか?」と。

ある日、桐山家の当主は、名誉を保つために金貸しの山田に借金をすることを決意しました。実利より名誉を重んじる彼の冷酷な考えは、やがて町中に広まり、耳を傾ける者たちを愚弄しました。桐山家の家計は山田からの借金を重ねることで苦しくなり、ついには破産寸前に。家族は格式を守るために高価な衣装を着ることをやめられませんでしたが、日々の食事は豆腐一丁にまで貧しくなりました。

結局、町の人々は「何某より金貸し」の意味を理解することになりました。名門の格式を誇る桐山家は、山田の金によって成り立っていたのです。しかし、山田もまた、桐山家の家名を無視して金を貸すことにし、平穏な日々を楽しみました。最終的に、名誉と実利の間に立つ結論は、「格式があっても腹が減っては戦はできぬ」という、一番シンプルな教訓でした。町の人々は笑いながら、この教訓を胸に新たな暮らしを始めたのです。


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