あらすじ
流れに棹さす
ある町に、何をやってもうまくいく運の良い男、田中が住んでいました。彼はいつも流れに身を任せ、不運とは無縁の生活をしていました。ある日、彼は町の広場で占い師に出会い、彼女が言った言葉に興味を持ちました。「あなたの運命は、流れを越えて進むことよ」。
田中は、この言葉を胸に秘め、「いいことが次々に起きる」と信じて、町の川に棹を持って漕ぎ出しました。しかし、川はどんどん流れが速くなり、彼はまるで乗り捨てられた小舟のように呑み込まれていきました。果たして、事態はますます悪化するばかりです。
流れに棹をさすつもりが、田中は逆にその流れに引き込まれ、流れ着いたのは奇怪な生物が住む無人島。そこには、彼が過去に見た映画の名シーンのような恐ろしいクリーチャーたちがひしめいていました。彼は思わず、「これが僕の運命だ」と嘆き、果たしてその恐怖の中で棹を落としました。
しかし、運の良い田中は、島の生物から一目置かれることになりました。その生物たちは、彼の豊かな笑い声に魅了され、次第に仲良くなっていきました。結局、彼は無人島でモンスターたちと共に楽しく暮らすことになり、流れに棹をささなくても自然に運が開ける、という新たな信念を持つようになったのです。それ以来、彼の口癖は「流れに棹をさすのはやめた方がいい」になりました。

