あらすじ
袈裟を落とした坊さん
昔々、ある小さな村に、貧しい坊さんが住んでいました。彼の名前は善太。善太は心優しい男で、村人たちからとても愛されていましたが、布施はいつも少なく、袈裟がほとんど汚れ始めていました。善太は、そんな状況でも一生懸命に教えを説き、村人たちを助けていました。
ある日のこと、村に大きな祭りがやってきました。村人たちは新しい衣装や食べ物を用意し、大いに盛り上がっていましたが、善太のもとにはいつも通りの布施しか寄せられませんでした。善太は悲しみを胸に抱えながらも、自分の役割を果たすため、祭りの真ん中で経を唱えることにしました。経を読むために袈裟を身に着けた善太でしたが、周囲の状況を見て、思わず袈裟を落としてしまいました。
村人たちはその瞬間、善太が袈裟を落としたことに驚きつつも、笑ってしまいました。「布施ない経に袈裟を落とす」とはまさにこのことだと、皆が気づいたのです。すると、一人の子供が手を挙げて、「ごめんね、善太。みんなで少しずつ布施をしてみよう!」と言いました。この言葉に勇気づけられた村人たちは、次々と善太のために食事や小さな物を持ってきました。
その日から、善太のもとにはたくさんの布施が集まり、村はさらに活気に満ちるようになりました。善太は袈裟を再び身に着けて、心を込めて経を唱え続けました。そして、村人たちもそれぞれの仕事を楽しみながら、多くのことを学び、週に一度の教えを守るようになったのです。この出来事から村人たちは、布施の大切さと、自分たちが与えることの喜びを知りました。そして、彼らはいつまでも善太を支え続けたのでした。



