あらすじ
遠目から見た美しさ
ある村に、村人たちが集まる小さな丘がありました。丘の頂上には、おっかなびっくり自分の姿を水面に映し出すという不思議な鏡がありました。この鏡を見た者は、自分の見た目が実際よりも美しく映るという噂が立っていました。しかし、真実を知る者は、ごく少数でした。
ある日、自信満々の男、太郎がこの鏡を求めて丘を登りました。太郎は自分がどれだけかっこよく映るかを楽しみにしていましたが、鏡の前に立つと、思いもよらぬ実態が映し出されました。彼の頭上に輝くのは、薄い禿げた部分。そして、くすんだ顔は実際の年齢よりも十年も老けて見えました。
彼はがっかりして鏡の前で落ち込みましたが、近くにいた村の女たちがこの光景を見て、ちょっとしたいたずらを思いつきました。「ねえ、みんな、あちらに美男がいるわよ!」と叫ぶと、村中の女たちが鏡の前に集まりだしました。太郎は顔を真っ赤にして、観客の視線の中でもっと自分を美化しようと必死になりました。
結局、彼は村人たちから「どこに行っても自信を持て」と笑われ、黒い陰謀に巻き込まれてしまったのです。そのスリルを味わった村人たちは、「遠目山越し笠の内」の真の意味を知ることとなったのでした。ただし、その理解は太郎の冗談を通してだけ得られた、ブラックユーモアな教訓となりました。



