あらすじ
ある町の怪談
昔々、ある小さな町に、いつも仲むつまじいカップルが住んでいました。彼らの名前はミズキとコウタ。町の人々は彼らを「雲と雨」と呼ぶほど、いつも一緒にいることから、彼らの絆を羨ましく思っていました。しかし、彼らの愛は表向きの平和な空模様とは裏腹に、町に潜む恐ろしい秘密を隠していました。
ある晩、ミズキはコウタの異常な行動に気付きました。彼は毎晩遅くまで出かけ、何やら怪しげな会合に参加している様子。好奇心に駆られたミズキは、コウタの後をこっそりつけていくと、町外れの古びた廃工場に辿り着きました。そこでは、カップルたちが集まり、奇妙な儀式を行っているのが見えました。
驚くべきことに、儀式の中心には彼女の隣人でもあったアヤが立っていました。彼女はコウタと親密そうに話しており、全く別の雲を作り上げている様子でした。ミズキは心に冷たい雨が降り注ぐのを感じました。彼女の心が変わってしまったのか、それとも最初からそれを知っていたのか、疑念が彼女を苛むのでした。
その晩の出来事を受けて、ミズキは決意しました。「雲となり、雨となる」ことに彼女も参加することに。彼女は自らも儀式に加わり、やがて町中の愛の絆が覆われてしまうほどの恐るべき力を得ていきました。結果として、町はいつしか怪しげな雲に覆われ、住人たちの愛も恐れも、どこかへ消えてしまったのです。こうして、町の人々はミズキとコウタを忘れ、いつしか新しい言葉「雲に飲み込まれた町」と語り継ぐことになったのです。





