あらすじ
百年河清を俟つ
昔々、山奥の小さな村に、イチロウという名の男が住んでいました。イチロウは毎日、村の川が清らかになるのを楽しみにしていました。村の人々は「河清(かわきよ)なんて百年も待っても無理さ」と笑って言うのですが、イチロウだけは「いつかこの川は清らかになるはずだ!」と信じて疑いませんでした。
ある日、村でお祭りが開かれることになりました。イチロウは「この祭りが終わったら、川が清らかになるに違いない!」と期待に胸を膨らませていました。しかし、祭りが終わると、川は相変わらず濁った水が流れていました。村人たちはまたもやイチロウの夢を笑いましたが、イチロウは「次の祭りにはきっと!」と前向きな気持ちを失いませんでした。
日が経ち、月が経ち、イチロウは毎年お祭りの度に川の清らかさを願い続けました。そんなある年、村に旅人がやってきました。旅人はイチロウの話を聞いて、思わず笑ってしまいました。「君は川が清らかになるのを待っているのか?それは百年河清を俟つようなものだよ!」と。でもイチロウは、あっさりこう言いました。「もちろん、だけど待っている間に楽しむこともたくさんあるのさ!」
数十年が経ち、イチロウは茶飲み話の達人となりました。村人たちは彼の楽しい話を聞くために集まり、お祭りの時には、いつも彼が語る物語に耳を傾けていました。川は結局清らかにはならなかったのですが、イチロウの信じる力と笑い声は村に清らかな空気をもたらしました。「百年待とうが、楽しむことを忘れなければ人生は素晴らしい」と、村人たちは心から思いました。













