轡の音にも目を覚ます
くつわのおとにもめをさます

意味

2024/10/5(土)

馬の口につけた轡が鳴るちょっとした物音にも武士は眠りから覚めるということで、用心深く、油断のないたとえ。仕事がら身についた習性もいう。

あらすじ

轡の音と眠りの狭間

昔々、ある平和な村に、一人の心配性な農夫が住んでいました。彼の名は佐藤。佐藤は日々、農作業に励みながらも、村で起こるあらゆる小さな出来事に神経を尖らせていました。村人たちは彼の様子を見て、「轡の音にも目を覚ます男」と囁き合うほどでした。

ある晩、佐藤は畑での作業を終え、家に戻ると、すぐに寝床に入ったのですが、心配で眠れませんでした。「ひょっとしたら、野生の動物が作物を荒らしに来るかもしれない。もし村に忍び込む強盗がいたらどうするのか。」そんな考えが頭をよぎり、彼はしばしば目を覚ましました。しばらくして、かすかに聞こえた「カラカラ」という音に反応し、飛び起きると、急いで外に出ました。

外に出ると、目に入ったのは村の隣に住む若者の馬が、草を食む際に鳴らす轡の音でした。それを見て、佐藤はふと考えました。「こんな音で目を覚ます自分が、果たして村を守れているのだろうか。」しかし、彼の心配はまだ晴れません。この風景を前にした瞬間、村が直面する本当の危機は全く別のところにあることに気が付きませんでした。

翌日、村では大きな祭りが開かれることになり、佐藤も参加することにしました。しかし、周りの楽しげな雰囲気に取り残され、彼は依然として盗賊や畑を荒らす動物の心配をし続けました。そして、結局祭りの大騒ぎの中で、彼の警戒心がもたらすのは自らの孤独だけだったのです。村人たちが笑顔で楽しむ姿を見て、佐藤はその日初めて「轡の音」に耳を傾けるのではなく、周囲の幸せに目を向けることの大切さに気付いたのでした。


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