あらすじ
見ぬ物清し
小さな町のはずれに、古びた家があった。そこに住むクマ吉は、周囲の人々から「見てはいけないもの」があると噂されていた。人々は彼が何を隠しているのかを知りたいと思いながらも、好奇心を抑えて近づかないことにしていた。彼らの中には、クマ吉の奇妙な髪型や、不気味な笑顔を見るのは平気でも、彼の家の中を覗く勇気がなかったのだ。
ある日、若い冒険家のタケシは、我慢しきれずにクマ吉の家を訪れることに決めた。彼は好奇心から、その不気味な家の中を探検してみることにした。ドアを開けると、目の前にはびっしりと詰まったゴミの山がそびえ、かび臭い匂いが鼻をついた。そして、その道のりを進むにつれ、彼は衝撃的な光景を目にする。
壁を覆う不気味な絵画や、動物の剥製が並ぶ中、タケシの目に飛び込んできたのは、クマ吉が子供時代から集めていた、おもちゃの人形たちだった。しかし、その人形はすべて、首が取れたり色褪せたりしていたのだ。タケシは吐き気を催しながらも、さらに奥へ進んでしまった。長い廊下の奥にあった扉を開けると、そこにはクマ吉が趣味で集めたという、名もなき悪趣味なコレクションが並んでいた。
タケシは思わず目を逸らした。結局、彼は「見ない方が良かった」と後悔したのだった。クマ吉が抱える秘密を知ってしまったことで、彼は二度とこの町の住人たちのように自由に笑うことはできなかった。好奇心は彼を暗い真実へと導き、「見ぬ物清し」の意味を身をもって理解したのだった。結局、人々は噂の中で安心し、見ないことで心の平和を保っていたのだろう。しかし、タケシの心には、忘れられない景色が焼き付いてしまったのだった。

