あらすじ
占い師の逆転劇
町の片隅にある小さな占いの店「運の輪」。その店主は、長年の経験を持つベテラン占い師、タロウ。彼は周囲の人々の運命を次々と的中させ、町の名士となっていた。一方で、彼自身の運命には全く無関心であり、自分の未来を占うことは決してしなかった。
ある日、タロウは不思議な夢を見た。「運の輪」が火事に見舞われ、全てが燃え尽きる光景。タロウはその夢を無視し、翌日もいつも通りに店を開けた。お客さんに対しては、次々と幸せな未来を告げるが、心の奥では自分の夢の不安が消えずに渦巻いていた。
数日後、ついにその夢が現実となった。店の裏側から出火し、たちまち「運の輪」は炎に包まれた。タロウは慌てて逃げるも、彼の助けを求める常連客がまだ店の中にいた。運命を語る彼が、自らの運命を見逃したことに気づいたとき、あまりにも皮肉な状況に思わず笑ってしまった。
火が消えた後、タロウは灰になった店の前に立ち尽くした。彼は己の運命を理解していなかったことを反省したが、結局は自分の運命を見極めることができなかった。それでも彼は新たな占いのスタイルを思いついた。「運の輪」の再建を決意し、今度こそ他人の人生だけでなく、自分のこともしっかり見つめようと心に誓った。こうして、火事からの復活を通じて、タロウは初めて「易者身の上知らず」の真の意味を理解することとなった。


