あらすじ
一時の我慢、末代の名声
昔々、ある小さな村に「トクジ」と呼ばれる若い男が住んでいました。彼は怠け者で知られており、村の人々からは「風来坊」と呼ばれていました。トクジは一切の苦労を避け、楽な生活ばかりを追い求めていましたが、村の長老からは「するは一時名は末代」という教えを何度も聞かされていました。しかし、彼はその教えを全く気にしませんでした。
ある日、村にその名も高い料理人「メグ」がやってきました。彼は特別な料理の腕前を持ち、村人たちにその腕を披露することにしました。村人たちは興味津々で集まりましたが、料理人が一つの課題を出しました。それは、食材を調達するために森へ行くことでした。みんなはその課題を受け入れ、一緒に森へ向かいましたが、トクジだけは面倒くさくて参加しませんでした。
数日後、村の祭りの日、メグの作った料理は大好評を博しました。しかし、トクジは一人で家に残り、村人たちが楽しむ様子を窓越しに眺めていました。心の中で、自分も参加していればよかったと後悔する気持ちが芽生えてきました。その時、長老の言葉が思い出されました。「するは一時名は末代」。彼はこの言葉の真意をようやく理解しました。苦痛を伴う仕事を手を抜かずに行うことで、得られるものがあるのだと。
次の日、トクジは村人たちに謝り、今度は自ら進んで食材調達を手伝うことを誓いました。そして、長老の教えを胸に、少しずつ努力を始めることにしました。数年後、トクジは立派な料理人に成長し、ついにはメグを超えるほどの名声を得ました。村の人たちは彼を尊敬し、ついに彼も「暇なし名人」と呼ばれるようになったのです。そうして、トクジは一時の我慢が末代の名声へと繋がることを身をもって学んだのでした。



