あらすじ
静かな川の向こうに
昔々、ある村に急ぐことを美徳と考える人物、アオイがいました。彼は常に「時間がない」と言い、何事も早く終わらせようとしました。村人たちは彼を見て、急ぐことが成功の秘訣だと信じていましたが、アオイはしばしば途中で疲れ果ててしまいました。
ある日、アオイは村の外にある美しい川の向こうに伝説の宝物があると聞きつけました。彼は宝物を手に入れるべく、急いで川を渡ろうと決意しました。しかし、彼は橋の代わりに飛び石を選び、足元も見えずに慌てて渡ろうとしました。その結果、バランスを崩し、川に転落してしまったのです。
一方、同じ村の年配の男、タカシは全く逆の生き方をしていました。彼は「より静かに進めば、より遠くまで行ける」を信じ、何事も落ち着いて取り組むよう心掛けていました。タカシは川のほとりで、美しい風景を眺めながら、時間をかけて渡るための橋を丁寧に作り始めました。彼は急がず、静かな心で作業を続けました。
数日後、アオイは他の村人たちに引きずられてやっと川を渡り、タカシの作った立派な橋を見つけました。彼が橋を渡ると、すでにタカシは宝物を手に入れているではありませんか。「どうしてそんなに早く宝物を?」とアオイが尋ねると、タカシは微笑みながら言いました。「急ぐことが成功の秘訣だとは限らないよ。静かな心で進むことが、時には最も遠い旅への道なのさ。」この言葉が、アオイの心に新たな光をもたらしたのでした。


