言わぬことは聞こえぬ
いわぬことはきこえぬ

意味

2024/10/5(土)

言葉にして言わなければ、相手に気持ちを伝えられないこと。

あらすじ

鍵をかけた心

ある小さな町に、恋人たちを取り持つことが得意な仲人、井上が住んでいた。彼はいつも人々の心を結びつけては、その幸せを見守ることで、自らも生きがいを感じていた。ところが、彼自身は恋愛に関して、まったくもって鈍感だった。

ある日、町の住人である美少女・さくらが井上に頼みごとをした。「私、あの隣の坊やにずっと思いを寄せているの。でも、彼はどうも鈍感なようで、全然気づいてくれないの。」井上は彼女を助けることに決定し、さくらの想いを和らげようと啓蒙的な言葉を口にした。「言わぬことは聞こえぬ、さくらさん。思い切って彼に告白するのが一番です!」

さくらは井上の言葉に従い、ついに彼に告白することにした。しかし、告白の前夜、夜空を見上げた彼女はなぜか不安でいっぱいになり、彼のことが本当に好きなのか自己疑問を繰り返してしまった。その結果、告白をする自信が持てず、思わず「言わぬことは聞こえぬ」を忘れて噴き出しそうになった。

次の日、さくらはかつてない緊張感を抱えながら彼の元へ向かう。しかし、彼に出会うと、「ありがとう」としか言えず、告白の言葉は口から出てこずに終わった。さくらは一旦帰宅し、次の機会を考えるも、心の中で彼を想うだけで満足する日々が続いた。そんなある日、井上は町の噂を耳にする。「あの子、さくらさんが彼に告白したって、本当?」という声に、焦りを覚えた彼は自分の言葉の重みを思い知らされる。

結局、さくらは自分の気持ちを言葉にせず、彼の目の前で踊る自分を見せることにした。しかし、彼が気づくことはなく、さくらは悲しみのあまり踊りをやめず、周囲の人々だけがその光景に魅了されていた。「言わぬことは聞こえぬ...」と自らに言い聞かせる彼女だったが、肝心なことは他人に見せられたのだと、ブラックユーモアのように笑うしかなかった。彼女の心の鍵は、誰にもかけられたままだった。


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