あらすじ
一匹の狐と千の羊
昔々、広大な牧場に千匹の羊が暮らしていました。彼らは毎日、穏やかな日差しの下で草を食べ、無邪気に遊んでいました。しかし、羊たちは自分たちの集まりが最も優れたものであると信じて疑わず、どこか傲慢に育ってしまいました。彼らは自分たちの大群を誇りに思い、森の中の狐たちを見下していました。
ある日、群れの中でも特に話し好きな羊が提案しました。「我々はこの群れの力を示すために、森の狐たちに挑戦状を送ろう。千匹の我々に敵う者などおるまい!」羊たちは賛同し、すぐに挑戦状を用意しました。彼らは自分たちの数の力を過信し、森の果てまでその挑戦状を届けたのです。
しかし、森の中に住む一匹の賢い狐、名を「キツネニ」と言いました。彼は挑戦状を見てほくそ笑み、羊たちに会うことに決めました。キツネニは、羊たちの集まりを見て驚きましたが、すぐに思いついた計画を実行しました。「さあ、勝負をしよう。私と一対一で戦い、負けた者がその数を引き下げるのだ」と提案します。
宴の場が設けられ、羊たちは一斉に声を上げました。「我々は千匹もいるのだから、一匹の狐なんて簡単に叩きのめせる!」しかし、キツネニは冷静に一匹の羊と戦い始めました。見事な策略と素早い動きで、あっという間に羊を倒してしまったのです。「さて、次は貴方たちの番です」とキツネニはほくそ笑み、羊たちは次々と戦いを挑みましたが、やがて全ての羊が倒されてしまいました。こうして、数の力が力を持たぬことを学んだ羊たちは、彼らの傲慢な心を悔い、以後は賢者の教えを仰ぐようになりました。




