亭主の好きな赤絵帽子
ていしゅのすきなあかえぼうし

意味

2024/10/5(土)

烏帽子は黒塗りと決まっているが、一家の主人が赤塗りが好きだといえば、たとえそれが風変わりであっても家族は同調しないわけにはいかないということ。非常識でも家長の言い分は通ることのたとえ。

あらすじ

亭主の好きな赤絵帽子

ある小さな村に、村一番の頑固者で知られる家長、田中さんが住んでいました。田中さんは自分が決めたことを絶対に譲らず、家族もその顔色をうかがいながら生活していました。ある日、田中さんは古い帽子を見つけ、それが赤い色であったことから「これが我が家の新しいシンボルだ!」と宣言しました。家族は驚きましたが、田中さんの機嫌を損ねては大変だと、仕方なく赤絵帽子をかぶることに。

その夜、田中さんは郷土料理を振る舞うとうるさく言い立てました。「赤絵帽子をかぶって料理をするのが一番だ!」と。家族は半ば無理やりに赤い帽子をかぶり、赤いソースのかかった汁物をテーブルに並べました。村人たちはその光景に少し戸惑いましたが、田中さんの強引さを知っているため、誰も文句を言うことができませんでした。

日が経つにつれて、田中さんの赤絵帽子の癖はますますエスカレートしました。彼は村の中でも特に目立つ存在となり、「あの赤絵帽子の家族」として有名になりました。家族は恥ずかしさを感じながらも、田中さんの言う通りにするほかなく、次第に村中の笑い者になってしまったのです。しかし、田中さんだけは自分が特別な存在だと信じ続けていました。

ある晩、酔っ払った村人たちが八百屋の前で赤絵帽子をかぶった田中さんをからかいました。「おい、赤いのはお前の頭だけだ!」と大声で笑いながら。田中さんは恥ずかしさから顔を真っ赤にし、家に帰ると家族に向かって怒鳴り始めました。「どうしてお前たちは私を助けないのか!」と。家族はそれまでの耐え忍んできた感情を爆発させ、「パパ、赤絵帽子が好きなら、私たちもあなたに合わせているじゃない!」と叫びました。結局、田中さんは家族の言葉にハッとし、少しだけ反省したのでした。


関連


寓話

物語

関連

© 2025 新解釈物語 | All Rights Reserved.