あらすじ
身銭を切る
ある町に医者のアキラがいた。彼は優れた技術を持ちながらも、少々金銭にだらしないところがあった。町の人々は彼の腕を信じていたが、支払いを貧しく見積もるため、しばしば代金を回収できずに困っていた。ある日、アキラは「身銭を切る」ことを決心し、自ら治療した患者からしっかりと代金を受け取ることにした。
さて、その日の患者は重い病気にかかり、友人も少ない青年、タクミだった。アキラは彼を診て「これは大変だ、君の命はお金では買えないが、治療費はしっかり請求するよ」と言った。タクミは震え上がり、医者の言葉に恐れをなしたが、最後の望みを持ってアキラに頼んだ。「命が助かるのなら、何でも支払います!」
アキラは冗談交じりに「それなら、身銭を切ってもらうしかないな」と言うと、刀を取り出した。タクミは恐怖で震え、命を救ってほしいと懇願したが、アキラは「身銭を切るのはお金だけではない、君の身を切ってもらうことが最適策だ!」とニヤリと笑った。もちろん、これは冗談だったが、タクミの顔は真っ青になり、彼はもう一度命を懸けた選択をすることになった。
最後に、タクミはアキラの冗談を理解し、治療を経て無事に回復した。退院の際、彼は「本当に身銭を切ることができた」と言って、アキラに現金を渡そうとした。しかしアキラは「それは不要だ、君の命が助かったことが何よりの報酬さ」と笑いながら答えた。こうして、アキラもタクミも「身銭を切る」とは、金銭だけではなく、時には自分の中の恐れと向き合うことでもあると学んだのだった。

