あらすじ
月夜の提灯
ある夜、村の広場には満月が輝いていた。村人たちはその美しさに見惚れ、誰もが夜の明かりを楽しんでいた。そこにやってきたのは、村一番の見栄っ張りの男、太郎。彼は月明かりの下でも目立つために、派手な提灯を持っていた。
太郎は提灯を掲げながら、「見よ、これが私の最新の品だ!」と自慢する。周囲の村人たちは呆れ顔で彼を見つめたが、それでも太郎の自慢話に黙って耳を傾けている。実際、月の光で周囲は十分明るく、提灯など必要ないのだが、太郎にとってそれは重要な外聞だった。
その時、突然の強風が吹き抜け、提灯が空中に舞い上がる。驚いた太郎は必死に追いかけるが、果たして提灯は高く舞い上がり、ポトリと地面に落ちてしまった。その瞬間、提灯の中に入れていたナマズの煮物がふたを取った途端、空中に飛び散り、周囲はその臭いに包まれた。村人たちは一斉に笑い声を上げた。
「見るがいい、月明かりに提灯を照らすこともできない男がいる!」と誰かが叫ぶ。その言葉に、太郎は恥ずかしさで赤面しつつも、自分の見栄を守るために誇張した声で言った。「見栄とは、時にはナマズを飛ばすこともあるのだ!」村人たちはさらに大笑いし、太郎はまさに月夜に照らされた提灯のように、自分の外見を保つための不必要な努力を続けるしかなかった。
