清濁併せ呑む
せいだくあわせのむ

意味

2024/10/5(土)

度量が大きいこと。

あらすじ

清濁併せ呑む男

町外れに「清濁酒場」という小さな酒場があった。酒場の主人、西村は「清濁併せ呑む」と自負する男だった。彼は高級ワインからホロ苦いビール、果ては腐ったワインまで、どんな酒も受け入れ、飲んでは笑っていた。彼にとって、酒は人をつなぐもの、たとえどんなに不味かろうとも、そこには人間のドラマが詰まっているのだ。

ある晩、酒場には老舗の常連客たちが集まっていた。彼らは酒を酌み交わしながら、特にこの町の悪名高き住人、河合の話で盛り上がっていた。その河合という男は、陰湿なまでに陰険で、まるでわざと周囲を不快にさせるような言動を繰り返していた。そんな河合がふと酒場に姿を現した。常連客たちは彼を避けるように距離を取り、酒の味が一気に苦くなった。

西村は肩をすくめ、河合を迎え入れた。「いらっしゃい、河合さん。今日はどんな酒が飲みたい?」と声をかける。河合は狡猾な笑みを浮かべ、「そうだな、普段飲まないような不味い酒を頼むよ」と応じた。西村は不敵な笑顔で、腐ったワインを持ってきた。その瞬間、周囲の空気が凍りつき、常連客たちの表情は一変した。しかし、河合はその酒を美味しそうにあおった。「これだよ、これ! 清濁併せ呑むってのはこういうことだ!」

西村はその光景を見て、心の中で笑った。この町の人々が彼から教わった「清濁併せ呑む」の真意を理解するのは一朝一夕のことではない。だが、河合の姿を見て、彼は思った。どんなに厄介な人間でも、酒を共有すれば一時的にでも心を通わせることができる。清い酒と濁った酒、互いに受け入れる勇気があれば、世の中はもっと面白くなるのかもしれないと。しかし、それはあくまで一時のこと、結局は人の本性が浮き彫りになるだけなのだ。


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