明鏡も裏を照らさず
めいきょうもうらをてらさず

意味

2024/10/5(土)

一点の曇りもないよい鏡でも裏までは映し出さないということから、どんなに賢明な人物でも目の屈かない所があるというたとえ。

あらすじ

明鏡の裏側

ある日、町に一つの美しい鏡が飾られた店がオープンした。店主の名はティム。彼はこの鏡が特別なもので、どんな人の顔でも素晴らしく映し出すことができると自慢していた。噂は瞬く間に広まり、町の人々は次々とその鏡を見に来た。鏡の前に立つと、皆は自分の美しさに驚き、満足そうに笑う。

だが、ある晩、酔っ払った男が店にやって来た。彼は鏡の前で自分の反映を見て、すぐに自分が美しいと勘違いしてしまった。そこで彼は親友を呼びつけ、「見ろ、俺はこの町一番の美男だ!」と叫びながら鏡を指さした。しかし、鏡はただの表面しか映し出さず、彼の裏側には未だに酔いに任せた醜態が形無しに残っていた。

この姿を見た店主のティムは半笑いで言った。「君は美しく見えるが、悪酔いした裏側まで映る鏡はないんだよ。」男は一瞬、自分の姿を反省するが、「そんなことはどうでもいい、俺は美しいさ!」と逆に得意げになった。その言葉に周りの人々は苦笑し、やがて町は彼の美しさを笑いのネタにすることになった。

世の中には、「美」の裏には必ず「醜」が存在することを忘れる人が多い。男は鏡が映し出す美しさに酔いしれ、その後も何度も店に通ったが、結局は誰も彼の真実を知らなかった。彼はいつしか「美男」として町の伝説になったが、裏の自分を知らぬまま、全てが裏目に出ることを楽しんでいたのであった。明鏡であっても、裏を照らしてはくれないのだ。


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