下手の真ん中上手の縁矢
へたのまんなかじょうずのふちや

意味

2024/10/5(土)

的に向かって弓を引いていると、下手な人の矢が真ん中の黒星に当たって、上手な人の矢が縁に当たることがある。そこから、物事には時として意外な結果が生じるということのたとえ。

あらすじ

矢の運命

ある日、小さな村で弓道大会が開催されることになった。村一番の名手であるタカユキは、どこの大会でも優勝するほどの腕前を持っていたが、自信過剰な性格で知られていた。その一方で、周囲の人々から笑われている青年、ダメダメのヒロシは、弓を引くのもほとんど初めてという極めて下手な男だった。

大会の日、村人たちはタカユキの圧倒的な強さを期待しつつも、ヒロシの出場にはクスクスと笑いがこぼれた。タカユキは軽い気持ちで弓を引いたが、集中できないまま放った矢は、なんと的の外れた縁に当たってしまった。一方、ヒロシの番が回ってきた。「どうせ外れるだろう」と皆が思う中、彼は思い切り弓を引いた。そして、奇跡的なことに、彼の矢が的の真ん中に刺さった。

村人たちは驚愕した。「下手なヒロシがまさか!」そんな中でタカユキは悔しさを抑えつつ、自身の弓の腕を見つめた。自分が名声にあぐらをかいていたために、まさか下手なヒロシに負けるとは。周囲の人々の笑い声がどんどん大きくなる中で、ヒロシは恥ずかしさを感じつつも、初めての勝利を噛み締めていた。

その日以降、村はヒロシの勇姿を語り草にし、下手な人でも運があれば勝つことがあるという教訓を胸に刻むことになった。一方、タカユキは、再び弓の修練を始めるが、彼の心にはいつも「下手の真ん中、上手の縁矢」の教えが響いていた。それは、勝つことの裏に潜む苦さを忘れないための、ささやかな警告だった。


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