あらすじ
大名と乞食の珍事
昔々、ある村に名を馳せた大名が住んでいました。彼は特に食にこだわりがあり、様々な野菜や果物を楽しんでいました。中でも、瓜と柿が大好きで、特においしいものを選ぶことにかけては誰にも負けることがありませんでした。しかし、ある日、彼は瓜を一個手に入れると、その皮が分厚くて皮むきが面倒だと思いました。
そこで、大名は近くの乞食に頼むことにしました。「おい、君、これをむいてくれたまえ」と言って、ぼろぼろの服を着た乞食に大きな瓜を渡しました。乞食は驚きながらも、感謝の気持ちを込めてその重い皮を手際よく剥き始めました。見事な手さばきで剥かれる瓜の皮に、大名は感心しきり。「君の手際には感心したよ」と言いながら、彼は乞食に報酬を与えることを決めました。
その後、乞食は大名に「今度は私が好きな柿をプレゼントしましょう」と提案しました。大名は驚きつつも、それを受け入れました。乞食は、甘くて柔らかな柿を大名に持参し、「私が剥きますから、お待ちを」と張り切りました。しかし、今度は皮が薄くて剥きにくいと思った瞬間、大名は心配そうに乞食を見つめました。乞食は一生懸命に柿を剥こうとしましたが、力加減が難しく、皮がぐちゃぐちゃになってしまったのです。
その時、大名は大笑いしながら言いました。「やはり、瓜の皮は大名に、柿の皮は乞食に剥かせるものだな!」乞食も一緒に笑いながら、両者はうれしそうに仲良く食卓を囲み、瓜や柿を分け合いました。こうして、仕事にはそれぞれの特性があり、誰にでも向き不向きがあることを実感した名大名と乞食は、友情を深めて共に楽しい時間を過ごしました。




