文殊も知恵のこぼれ
もんじゅもちえのこぼれ

意味

2024/10/5(土)

知恵をつかさどる文殊菩薩でさえも失敗するということで、どんなに賢い人、偉い人であっても失敗はあるものだというたとえ。

あらすじ

文殊も知恵のこぼれ

昔々、知恵を授けることで有名な文殊菩薩が住む山がありました。その山には、賢者たちが集まり、文殊菩薩に知恵を求めるためにやって来ると伝えられていました。しかし、ある日、文殊菩薩自身が大きな知恵の瓶を持って山のふもとに降り立ったのです。人々はその姿を見て興奮し、知恵の泉に触れられるチャンスだと喜びました。

文殊菩薩は、自らの知恵を多くの人々に分け与えようと、瓶の中の知恵を小皿に乗せて配り始めました。しかし、何を思ったのか、彼は足を滑らせてしまい、知恵の瓶が転がり落ちてしまいました。その瞬間、瓶の中の知恵が一斉にこぼれ落ち、町中にまき散らされたのです。人々は驚き、あっけにとられて見守ることしかできませんでした。

落ちた知恵は、風に乗って様々な場所へと舞い散り、小さな子供から年老いた者まで、皆がそれを拾い集めました。そして、かつては感じることができなかった知恵を手に入れた者たちは、それぞれの生活の中で新しい発見をし、知識を深めることができました。しかし、急に賢くなった彼らは、しばしば滑稽なミスを犯すようになったのです。たとえば、村の男が「知恵を与えられたから」と言って、茄子を植える代わりに髪の毛を植えたりしました。

人々は文殊菩薩の失敗を笑い、そして新たな知恵を使いこなす楽しさに目覚めました。「文殊も知恵のこぼれ」とは言うものの、失敗を恐れずに挑戦し、時には失敗を笑い飛ばすことこそが、真の賢さなのだとみんなが気づくこととなりました。文殊菩薩も、思わぬ形で知恵を授けることができたとほっと胸をなで下ろしたのでした。


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