後生大事や金欲しや死んでも命のあるように
ごしょうだいじやかねほしやしんでもいのちのあるように

意味

2024/10/5(土)

来世の安楽も現世の金もと、あれもこれも願うということで、人間の貧欲さのたとえ。また、虫のいい言いぐさのたとえにいう。

あらすじ

命と金の狭間で

ある町に、貧しい農夫の太郎が住んでいた。彼は日々の畑仕事で生計を立てていたが、収入はわずかで、金持ちの地主に頭を下げる日々が続いていた。太郎はいつも「どうにかして金を手に入れなければ、来世で楽をすることもできない」と愚痴をこぼしていた。そこで、一夜のうちに金を手に入れ、贅沢な生活をすることを決意した。

ある晩、太郎は不気味な気配を感じ、森の奥から声が聞こえてきた。「金が欲しいか?」と。驚いた彼が振り向くと、そこにはおばあさんの姿をした妖怪が立っていた。「私の問いに正直に答えれば、貴様の欲しい金を与えよう。ただし、命を捧げる覚悟がいる」と妖怪は言った。太郎は一瞬躊躇したが、金の誘惑に負けて頷いた。

妖怪は太郎に金の延べ棒を渡し、彼の命を奪った。しかし、太郎の心の奥には「こんなに金を持ったら、地獄での楽しい生活が待っているだろう」という皮肉な思いが満ちていた。彼はすぐに金を使い果たし、地獄の豪華絢爛な環境で自らの主張を貫くことを誓った。周囲の人間たちは彼の成功を羨み、太郎が命を代償に得た財産は人々の間で噂となった。

後に、太郎の豪邸が百花繚乱に彩られているのを見た村人たちは「命を捨ててまで金が欲しいとは、何と無様なことだ」と嘲笑った。しかし太郎の心の中では、「後生大事や金欲しや死んでも命のあるように」という言葉が響き渡り続け、彼の思い描いていた幸福はいつまでも手の届かないものであった。結局、命と金の狭間で苦しむ太郎は、彼自身が望んだ姿を笑う存在になってしまっていたのだ。


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