権兵衛が種蒔きゃ烏がほじくる
ごんべえがたねまきゃからすがほじくる

意味

2024/10/5(土)

人が苦労して行ったことでも、別の人がすぐにぶち壊してしまうことの例え。

あらすじ

権兵衛の悪夢

権兵衛は、村一番の農民で、いくら汗水を流しても実る作物には気を使いすぎるほどだった。今年の春、彼は特に張り切り、豊作を夢見て早朝から田んぼに出て、丹念に種を蒔いた。壮大な未来を描く中で、彼はこの仕事の成果を味わう日を心待ちにしていた。

しかし、権兵衛の努力が実ることはなかった。翌朝、彼が畑を訪れると、まるで悪夢のように烏が田んぼをうろついていた。黒い羽根をばさばさと散らしながら、烏たちは彼が心を込めて蒔いた種を次々と掘り返していく。彼は驚愕と呆然の中で、「これは夢だ、夢に違いない」と声を上げたが、周囲の現実は変わらなかった。

権兵衛は怒りを覚え、烏たちを追い払うべく大声で叫んだり、石を投げたりした。しかし、烏たちは彼の行動をおかしみに思いつつ、ますます元気に種をほじくり続けた。彼の悲鳴が響き渡る中、村人たちはその様子を見かけ、笑い転げる。他人の不幸がこんなにも愉快だとは、まさに「権兵衛が種蒔きゃ烏がほじくる」の教訓そのものだ。

権兵衛は、結局何も得られず、心の中で村人たちを恨みつつ帰路についた。彼は、もう二度と種を蒔くことはしないと決めたが、心の片隅には「もしかして、次は別の悪党が出てくるかも」と無惨な未来を見越して、苦笑を浮かべながら戻って行った。結局、彼の頑張りと希望は、烏たちによってあっけなく打ち砕かれたのだった。


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