石部金吉
いしべきんきち

意味

2024/10/5(土)

「石」も「金」も堅い物の代名詞。それらを人の姓と名にそれぞれ入れた擬人名。人の心の動き、感情の機微にうとい人や、何事につけ融通のきかない人に当てつけて用いる。とりわけ、恋する男女の間の心情を解することのできない堅物に当てはまる。

あらすじ

石部金吉の恋物語

ある小さな村に、堅物で知られる男、石部金吉が住んでいました。彼は村一番の石工で、どんな石でも立派な彫刻に仕上げる腕前を持っていましたが、同時に彼は感情にはとても鈍感でした。同じ村に住む可愛らしい娘、花音は、石部金吉にずっと恋心を抱いていました。しかし、彼の冷たい態度に、見ているだけで勇気が出ない日々が続いていました。

ある日、村のお祭りで花音は決意しました。「私の気持ちを伝えなければ!」と。彼女は特別に美しい花冠を作り、金吉のもとへ行きました。金吉は、花冠を見た瞬間、「なんでこんな無駄なものを作ったのか?」と真顔で返しました。その反応に、花音はますます勇気を絞り、「金吉さん、私の気持ち、どう思う?」と問うました。

すると金吉は首をかしげ、「気持ち?花は単なる飾りに過ぎない。もっと実用的なことを考えたらどうだ?」と答えました。花音は心の中で「どうしてこんなに頼りないのかしら」とつぶやきましたが、彼の無自覚さに笑わずにはいられませんでした。そこで、彼女はふと思いつき、金吉の周りをしばらく踊ってみせました。

そのとき、村の人々が集まり、彼女の不器用なダンスに大笑いしました。金吉もいつの間にか、その楽しさに微笑み始めました。「この人は、少しだけ不器用だけれども、心に響くものを持っている」と気づいた瞬間、彼の心にもいつしか花音の存在が芽生えていました。こうして、石部金吉は初めて愛の形を理解し、花音を求めるようになりました。村中が祝福したこの二人は、堅物な金吉が少しだけ柔らかくなった、その瞬間のことを忘れることはなかったのです。


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