あらすじ
不思議な村と粉糠
昔々、遠く離れた山間の村に、穏やかな日々を送る人々が住んでいました。その村では、代々受け継がれてきたことわざ「粉糠三合あったら婿に行くな」が特に大切にされていました。このことわざは、立派な婿入りを果たすことよりも、自分の力で生活することの大切さを教えていました。
村の青年、タロウはこのことわざを心に刻み、自分の仕事を持ち、自立することを誓っていました。しかし、ある日、タロウは夢の中で不思議な老人に出会いました。老人は「お前の粉糠、三合を与えれば、願いを一つ叶えてやる」と言いました。目が覚めたタロウは、迷いながらもその言葉を思い返しました。
その日、村を歩いていると、友人たちが言うには、ある貴族の娘が美しいが、婿入りを希望しているという噂を耳にしました。タロウは心が揺らぎ始めました。「力を持っていれば、彼女の目を引くことができるかもしれない」と思ったのです。でも、心の奥には老人の言葉が響きます。「自立せよ」と。
その夜、再び夢の中で老人と出会ったタロウは尋ねました。「願いを一つ、粉糠と引き換えに叶えてもらえるのですか?」老人は微笑んで答えました。「だが、本当にその願いが自立につながるか、よく考えなさい。」タロウは迷った末に、愛のために願いをかけるのではなく、村が繁栄し、自らが道を見出すことを願いました。次の朝、目が覚めると、村人たちが集まり、みんなで新しい稲作の方法を発見したと大喜びしていました。その日から、村は潤い、タロウも真の自立を果たすのでした。




