あらすじ
大吉と凶の間
ある小さな町に、占い師のミドリが住んでいました。彼女の占いは非常に当たると評判で、皆が彼女のもとを訪れ、未来の運勢を尋ねるのが常でした。しかし、ある日、ミドリは恐るべきことに気づきました。「大吉は凶に還る」ということわざが、彼女の占い結果を次々に裏切っていたのです。皆が幸運を期待して訪れるにもかかわらず、予言はいつも逆転してしまうのだった。
町の人々は、ミドリの占いを信じていたため、彼女が告げる通りに行動していました。ある日、町で一番の金持ち、トシオがやってきて、全財産を賭けた大吉を引いてもらいました。ミドリはしっかりと彼の手相を見つめ、「君はこれから大成功する」と笑顔で告げました。トシオの目は輝き、彼は高級車を購入し、贅沢なパーティーを開くことに決めました。
しかし、彼の成功は短命でした。パーティーの最中に、屋根が崩れ落ち、全財産を失ってしまったのです。町の人々は冷やかし半分で「これぞ大吉は凶に還るを証明した」と口を揃えました。トシオの失墜を見て、誰もが次第に占いへの信頼を失っていき、ミドリのところには悩む人たちばかりが訪れるようになりました。彼女は人々の絶望に心を痛めつつも、世の中の皮肉に対して微笑むしかありませんでした。
そうして、町の人々は「運とはいつか逆転するものだ」と知ることになります。高望みする者たちは、いつしか慎ましい生活へと戻り、失ったものの大切さを再認識しました。ミドリ自身も、「次に大吉が訪れたらどうしよう」とドキドキしながら、占いの結果を受け入れながら、ひとしきりの冒険と反省の日々を送ることになったのです。結局、大吉と凶は紙一重であるということに、町全体が笑いの中で気づくことになりました。





