あらすじ
糠喜びの糸車
村の外れに住むおじいさん、太郎は、毎日楽しく糸車を回していた。ある日、彼は近くの山で珍しい花を見つけ、その花が金色の粉を出すことを知った。噂によれば、その粉を使うと願いが叶うという。太郎は早速、粉を集めて帰ると、心の中で一つの願いを思い描いた。「明日、村の祭りで一番の出し物をしよう!」
その夜、太郎は金色の粉をかけた糸で素晴らしい衣装を作ることにした。朝になると、衣装を着た太郎は村に出かけ、皆から大絶賛を受けた。「太郎さん、今日は絶対に一番だ!」と、村人たちは太郎のことを褒めたたえた。すっかり調子に乗った太郎は、自分が一番になれることを信じて疑わなかった。
祭りの開始時刻、いよいよ出し物が始まった。太郎の衣装は美しく、皆が熱心に見守る中、彼は誇らしげに舞い始めた。しかし、突然衣装の糸が切れ、彼は備えた全ての技を失ってしまった。観客の眼前で、彼は見事な滑り出しから急に転び、ドタバタとした姿に変わってしまった。
祭りが終わり、村人たちの拍手は彼を励ますものではなく、爆笑に変わった。太郎は、自分が一番になると喜んだのが、実は大きな糠喜びだったことに気づいた。「願いが叶わないこともあるさ」と彼は笑いながら言った。おじいさんは、次回の祭りに向けて新しい衣装を作ることにしたが、今度は金色の粉には頼らず、自分の技を磨くことに決めたのだった。
