あらすじ
逆鱗を触れた男
ある小さな国に、非常に気難しい王様が住んでいました。王様は自分の意に沿わないことがあると、たちまち怒り狂ってしまうことで知られ、国民は常にその機嫌を伺って過ごしていました。「逆鱗に触れることは、命取りだ」と言われ、皆が恐れている中で、唯一、王に意見を具申することができるのは参謀の正行(まさゆき)だけでした。
正行はその名の通り、王の信任を厚く受けていましたが、ある日、合戦の準備を進める中で、王が不必要な武器を大量に発注することを知ります。王への忠誠心から、正行は果敢にも進言します。「陛下、このような武器は不必要ではありませんか?国の財力を浪費するだけです」と語りかけます。しかし、王様は逆上して、「お前は何を言うのだ!我が判断に異を唱えるとは、逆鱗に触れたのだ!」と凄まじい怒りを見せます。
正行は驚愕しつつも、思案に耽ります。「しかし、この国のために、陛下の考えが間違っていることを証明しなければ」と心に決め、町の住民を集め、武器の必要性について討論会を開きました。周囲の人々は次第に正行の意見に賛同し、王の決定を再考するよう訴えます。これが王の耳に入ると、彼は逆鱗を越えて公愉の場を持つことを決意しました。
王は民衆の意見を聞くうちに、自らの過ちに気付き、口を結んで反省しました。「私は一人の権力者として、かつての自分の愚かさを悔い、国の幸せを第一に考えなければならない」と心に誓いました。そして、正行の勇気を讃え、国の方針を見直すことが決まりました。それ以降、王は民の声を大切にするようになり、国は繁栄を見せるようになったのでした。こうして、逆鱗には触れなかったものの、王の心には新たな理解が芽生えたのです。

