江戸と背中が見て死にたい
えどとせなかがみてしにたい

意味

2024/10/5(土)

背中は鏡にでも映せば見ることはできるが、直接見ることはできない。江戸も絵や話では接することができるが、遠い田舎の貧しい人間が江戸見物に行くことはまずできない。昔の地方人が抱いた願いと嘆きを述べている。

あらすじ

江戸と背中が見て死にたい

ある村に、太郎という男がいた。彼は若い頃からずっと江戸の華やかな世界に憧れ続けていた。しかし、結局一度も江戸に足を運ぶことはなく、村の小屋で長い年月を過ごすことになった。ある日、太郎は夢の中で江戸を訪れることになり、兄のように親しい友人から江戸の美しい風景について語られた。

「太郎、江戸はすごいぞ!華やかな町並み、美味しい食べ物、そして美しいお姉さんたちがいるんだ!」と友人は目を輝かせて話した。太郎は心の中で「いつか見てみたい、江戸の背中を見て死にたい」と思い描いた。しかし、現実は厳しく彼は貧乏で、江戸どころか村の周りさえも出られない日々だった。

ある晩、太郎は夢の中で不思議な出会いを果たす。自称「江戸の神」と名乗る男が現れ、「太郎よ、お前の願いを叶えてやろう」と言った。太郎は目を輝かせ、「江戸に連れて行ってくれ!」と叫ぶ。すると、江戸の神はニヤリと笑い、「簡単じゃ、たった数秒で江戸の風景を見せてやる」と言い、彼を手に取り、背中を軽く叩いた。

次の瞬間、太郎はまるでスクリーンを通じて見るように、江戸の風景が背中越しに流れ込んできた。そして彼は、背中で見える江戸の景色に満足し、そのまま永遠の眠りにつくこととなった。人々は彼が一生江戸に行けなかったことを嘆いたが、太郎は心の中で「江戸の背中を見て死ねて、なんて幸せなんだろう」と微笑んでいたのだ。村には彼の幽霊が漂いながら、いつも江戸の背中を見せてくれるひとときを待っているのだった。


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