紺屋の白袴
こうやのしろばかま

意味

2024/10/5(土)

他人に手を回しすぎて自分には手が回らないこと。

あらすじ

紺屋の白袴

昔々、遠い村に「紫屋」という染物屋がありました。紫屋の主人、紫川は誰よりも美しい色を染めることができる職人でした。しかし、彼は自分の服装にはまったく気を使っていませんでした。街の人々は彼が、美しい布を染める一方で、いつも白い袴を着ていることに気づきました。まるで、紺青の染料で染め上げた服の隣に、真っ白な布が立っているかのようでした。

ある日のこと、紫川は新しい色の染料を試すため、嵐の森へと出かけました。そこには、特に珍しい花が咲いており、それから取れる色は他にはない美しい紫色と噂されていました。しかし、森の奥には神人(かみびと)と呼ばれる神秘的な生き物が住んでいました。多くの者が彼と対峙することを恐れていましたが、紫川は自信を持って森の奥へと足を進めました。

神人に出会った紫川は、彼に色の秘密を教えてほしいと頼みました。しかし、神人は一つの条件を出しました。それは「自分を大切にし、自らの色を理解すること」でした。紫川はその意味がよくわかりませんでしたが、神人の言葉を忘れず、自分の服装についても考えることにしました。帰村した彼は、初めて自分のために美しい紫色の袴を染め、自らの鏡の前でその姿を眺めました。

すると、紫川の目の前に、幼少期から愛着を持っていた友人や村の人々が色鮮やかに映り込んできました。彼らは彼の姿を見て喜び、紫川に色あふれる世界を見せることができると感じました。この経験を通じて紫川は、自分自身を大切にすることができたのです。それ以来、彼は自分の服装にも気を使い、周囲にも美しい染物の色に囲まれるようになりました。「紺屋の白袴」の教訓を心に刻みつけ、紫屋は新たな物語を紡いでいくのでした。


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