あらすじ
五臓の疲れ
ある町に、夢見がちな若者が住んでいました。彼の名前はヨシオ。毎晩、派手な夢を見ては、その虜になり、現実の生活を怠けがちに過ごしていました。彼の夢は、星空の下で宇宙旅行をしたり、世界中の美味しい料理を食べ歩いたりする素晴らしいものでしたが、まるで五臓に疲れを感じているかのように、目覚めるたびに体がだるく、現実の欠乏に直面しました。
ある日、ヨシオは夢の中で見た「夢見の館」と呼ばれる場所を探し始めました。この館にたどり着けば、夢が現実になると言われていたのです。しかし、道中で様々な奇妙な出来事に遭遇し、彼の体はますます疲労していきました。心の中で「こんなに疲れたのに、夢を追うのは無理かもしれない」と思いつつも、彼は夢に魅せられていました。
そして、ついに夢見の館に辿り着いたヨシオは、館の主に出会います。主は彼に向かって、「夢は五臓の疲れだ。お前はもっと現実を見なければならない。」と言いました。若者は愕然としながらも、それを軽く受け流し、「だったら、現実を夢中に楽しむ方法を教えてくれ!」と冗談交じりに返しました。すると、主はニヤリと笑い、「ならば、夢見の館を出た瞬間、夢と現実がひっくり返る呪いをかけてやろう」と言いました。
彼が館を後にすると、思いもよらないことが起こりました。ヨシオは何もかもが逆さまになった世界に目を覚ましたのです。食べ物は空から降ってきて、人々は背中で歩き始め、町は逆さに空中に浮かんでいました。彼はようやく、疲れた五臓がどれほど現実から逃げていたのかを理解しました。夢を追うことと、現実を受け入れることのバランスをどうにかして見つけなければ、彼自身が逆さまの世界に永遠に閉じ込められてしまうことを悟ったのです。
