彩ずる仏の鼻を欠く
さいずるほとけのはなをかく

意味

2024/10/5(土)

念を入れ過ぎたために、大事な部分を駄目にしてしまうこと。

あらすじ

彩ずる仏の鼻を欠く

昔々、ある小さな村に、不思議な力を持つ仏像が祀られていました。その仏像は美しい装飾で彩られ、村人たちはその前で祈りを捧げていました。しかし、村の長老たちは「仏像をもっと美しくしよう」と熱心になりすぎ、何度も装飾を加えていきました。色とりどりの宝石や布で埋め尽くされ、日に照らされるとまるで虹のように輝いていました。

ある日、村の若き芸術家であるユウが、仏像に更なる彩りを加えたいと思い立ちました。彼は自らの手で金の花を仏像の周りに飾ることに決めました。しかし、長老たちの話を半分忘れてしまったユウは、装飾を重ねすぎて、ついに肝心な部分、仏像の鼻を飾りで覆ってしまいました。時折、ユウは装飾を施すことで喜びを感じる一方、どこか不安な気持ちも抱いていました。

次の日、村人たちが集まり、祈りを捧げると、仏像の鼻がひゅっと消えてしまいました。村人たちは驚き、恐れを抱きました。「私たちの仏像が! どうしてこんなことに?」と声を上げ、長老たちも頭を抱えました。ユウは罪悪感と共に、自らの行動を悔いました。彼は装飾の過剰さが、仏像に実際の力を与えるための重要な要素を失わせたことに気づいたのです。

ユウは仏像の前に立ち、心から謝罪しました。「僕はあなたを美しくしようとして、あなたの本質を見失ってしまった」と涙を流しました。すると、薄暗い空間に光が差し込み、仏像の鼻が戻ると共に、今まで以上の美しさを放ちました。ユウはそれを見て、真の美しさは装飾ではなく、存在そのものにあると悟りました。それ以来、村人たちは装飾よりも大切なことを思い出し、仏像を敬うことが村の伝統として受け継がれていきました。


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