あらすじ
猫と王様の出会い
ある日、田舎町に住む一匹の猫が、ただのネズミを追いかける日常に飽き飽きしていた。彼はある噂を耳にする。それは、王様が豪華な宴を開くというものだった。「猫でも王様を見に行ける」と言われるこの町では、猫も人間と同じように王様に会う権利がある。彼は自分の運を試すことにした。
猫は小さな体を活かして、華やかな衣装をまとった人々の間をすり抜け、とうとう王様の宴へとたどり着いた。そこには豪華な食べ物と無邪気な人々が集まっていた。王様は笑い声をあげ、猫に気づいた。「おや、小さな訪問者が来たようだ!君の名は何かね?」と尋ねた。猫は心の中で「そんな名前などどうでもいい!」と思いながらも、「ネズミを捕まえる者でございます」と答えた。
王様はさっそく、自分の皿に載せた美味しそうな食事を猫の目の前に差し出した。「好きなだけ食べるがいい。我が国はお前のような賎しい者も歓迎する!」その言葉に、猫は一瞬驚いた。賎しい者が王様からもてはやされるなんて、予想もしなかったのだ。しかし、宴は予想外の方向へ進んでいく。
宴が進むにつれて、王様は自分のお気に入りの料理を猫に奪われるのが許せず、ますます苛立ち始めた。ついには「猫も王様も、貴族も貧民も、結局は餌を求める生き物だ」と大声で叫んでしまう。狂ったように笑い混じりの声を上げる王様に、周囲の人々は戸惑いを隠せなかった。猫は、そんな場面を見て、宴は賎しい者の権利を超えた、ただの空虚な笑いに過ぎないと悟るのだった。



