大工の掘っ立て
だいくのほったて

意味

2024/10/5(土)

他人のためには懸命に仕事をするが、自分のことには手が回らないこと。

あらすじ

大工のアキラ

アキラは小さな村で評判の良い大工だった。彼の手による家具は、どれも美しく仕上げられ、村人たちは彼に注文をつけるのが大好きだった。アキラはいつも「依頼されたものは最高の品質で作る」と誇りを持って仕事に取り組んでいた。しかし、彼にはある欠点があった。それは、自分の家のことをいつも後回しにしてしまうことだった。

ある日、村の裕福な商人から大きなテーブルの注文を受けたアキラは、全力でその仕事に取り掛かった。日が沈んでも、夜遅くまで工房にこもり、細部にわたって完璧を追求した。村人たちは彼の情熱に感心し、アキラの名声はさらに高まった。しかし、アキラの家は放置されたままで、壊れた窓や傾いた屋根が彼の生活を蝕んでいた。

数ヶ月後、大テーブルが完成した時、商人は喜びの声を上げたが、アキラの家はそれと対照的に見捨てられたものになっていた。村人たちは、彼の技術の高さを讃えながらも、「大工の掘っ立てだな」と笑いあった。それを聞いたアキラは、村人たちの言葉にハッとさせられた。自分の生活が後回しになっていることに気づく。彼は大きな決心をし、商人の喜びを胸に、自分の家の修理に取り掛かることにした。

アキラの奮闘は村人たちにとっても励みとなり、彼の姿を見た他の大工や職人たちも少しずつ自分の仕事を見直すようになった。アキラは最終的に、自分の家を修復しつつ村のニーズにも応えられるようになり、彼の技術と心の両方が成長した。村の中で「大工の掘っ立て」という古いことわざが、新たな意味を持つようになったのだった。


関連


寓話

物語

関連

© 2025 新解釈物語 | All Rights Reserved.