あらすじ
帯と絎け縫いの珍騒動
昔々、小さな村に住む若い職人、太郎がいました。彼は帯作りの名手で、村人たちから信頼されていました。しかし、太郎はいつも贅沢な素材を求め、仕事が終わるとすぐにそのお金を、華やかな装飾品や高級な飲食に使ってしまいました。ある日、彼は特別な帯を作ることを決意し、5両で素晴らしい絹布を手に入れました。
帯を作る準備を進めていると、近所の年老いた職人、源さんがやってきました。「太郎、帯はいいが、絎け縫いに気をつけなさい。肝心なことよりも、付随の費用がかかるから」と忠告をしましたが、太郎は全く聞く耳を持ちませんでした。彼は「源さん、帯を作るのに金を使うのは重要だが、絎け縫いなんて少しの手間で終わるさ」と鼻で笑いました。
帯ができあがると、さっそく村人たちがその美しさに驚き、太郎は大満足でした。しかし、絎け縫いを始めると、彼はすぐにその面倒さと難しさを思い知ることになります。結局、必要な材料や道具で3両もかける羽目になり、合計で8両も費やしてしまったのです。帯作りにかけたお金は元を取るどころか、完全に逆転してしまいました。
太郎は、源さんの言葉が身に沁みた瞬間でした。それからは、彼は「五両で帯を買って三両で絎ける」ことの教訓を胸に刻み、無駄には気をつけるようになりました。そして、彼はその教訓を若い職人たちに伝え、村全体にも賢いお金の使い方が広がっていったのでした。




